「花なら赤く 空なら青く」第一話
いつまでも暑いと思っていたら、空には真っ白な入道雲が膨らんでいる。
雲ひとつない夏空は、あまりにもまぶしすぎた。
まつげで日差しをはじきながら、入道雲を見た。
いきなり、入道雲から飛行機が突き抜けた。
そこから飛行機雲が一直線に線を描き、遠くへ消えていった。
ふっとため息をついたら、まだ夏の名残を残した暖かい秋の風に背中を押された。
自然に歩き出した。
今日で三十歳になった。
いつまでも二十代だと思いながら、結婚は二十代にはと思っていたが、
そんな気配もないまま、秋の気配を感じてしまった。
「仕事が彼氏」なんて、彼氏のいる友達や同僚の男の子には
強がって見せているけど、シャカリキに仕事をしても、心は癒されない・・・。
家に帰ったら、ふるさとの親が送ってくれた漬物をおかずに、
食パンをかじることもある。当然おいしくない。
最近目元のからすの足跡が気になって、笑わないようにしている。
笑わないのがよくないことはだれよりもわかっているけど・・・。
彼氏と呼べる人がいなかったとはいえないけど、
でも、結婚までに至るような男性は現れなかった。と思う。
惰性で付き合うことにも疲れるし、かといって素敵な男性が
いないのも疲れる。というか癒されない・・・。
自分の身勝手を自分でも知っているし、直そうと思っても、
やっぱり叱ってもらう人が欲しい。
ある本で、「花なら赤く 空なら青く」ってエッセーがあったけど、
女性なら女性らしく、男性なら男性らしくって意味みたいで、
なるほどと思ったけど、自分が女性らしくするための答えが見つからない。
だから男性らしい男性に会えないことも納得せざるをえない。
それにしても宮崎の街は、暑い。空は青いし、道に咲く花は赤い・・・・。
少し色づいた街路樹の葉を見ながら、ゆっくりと歩く。
いつかこの葉も落ちるときがくると思った。
花も赤いときがあれば、いずれ枯れる。
どうせ枯れるなら、きれいに咲くときこそ、爛漫と咲きたい。
今の自分は、つぼみなのだろうか?
それとも、花が咲いているのだろうか?
それとも、枯れつつあるのだろうか?
花が赤く咲き乱れるときは、限られている。
でも、人間は自分で咲きつづけることも、自分で枯らすこともできる・・・。
何度も咲くことができる。
オープンバールのウィンドウに自分が写っている。
まんざらではないんだけど・・・・。
と思ってみていたら、中から視線を感じた。
一瞬で焦点をウィンドウから中にあわせると、
中から小さく手を振っている人がいる。
男の人・・・。誰・・・・・?
笑っている・・・・。
あれぇっ!確か・・・・。
あっ!
えっ!
うそっ!
気になるのなら第二話につづく・・・。
。。。。。。
気になります。
このコメントを下さった方へ。
第二話、お待ちしております。